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2026年09月16日

バイオリンのビリビリ音はなぜ?原因と対処法

バイオリンを弾いていると、それまで気にならなかった「ビリビリ」「ジリジリ」とした音が突然聞こえてきて、「楽器が故障したのではないか」と不安になることがあります。

 

このような異音は、弦やアジャスター、あご当てなど外から確認しやすい部分が振動している場合もあれば、楽器の接着部分など、工房で状態を確認したほうがよい箇所が関係している場合もあります。

 

大切なのは、音だけを聞いて原因を一つに決めつけるのではなく、「どの弦で鳴るのか」「特定の音だけなのか」「最近何か変化がなかったか」と順番に確認していくことです。

 

私たちSakamoto Violinsでも、異音が気になるときには原因になりそうな部分を一つずつ確認しながら、必要な調整や修理を考えていきます。

 

この記事では、バイオリンからビリビリした音がするときにまず確認したいポイントから、ご自身では触らず工房へ相談したい箇所、原因を切り分ける方法まで分かりやすくお伝えします。

 

バイオリンのビリビリ音でまず確認したい原因

アジャスターや金属部品が緩んでいる

まず確認したいのが、テールピース付近にあるアジャスターなどの金属部品です。

 

アジャスターのねじや固定部分が緩んでいると、演奏時の振動に合わせて細かな雑音が出る場合があり
ヤマハでも弦楽器にバズ音が発生したときの代表的な確認箇所として、ファインチューナーのねじや固定ナットを挙げています。

 

音が出ているときにアジャスター周辺から振動しているように感じる場合は、目で見て明らかな緩みがないか確認してみてください。

 

ただし、雑音を止めようとして必要以上にねじを締め込むのではなく、原因が分からない場合はその状態のまま工房へお持ちいただくほうが安心です。

 

あご当て周辺が緩んでいる・接触している

あご当てや、それを固定している金具も確認したい部分です。

 

あご当てが以前よりぐらついていないか、周辺の部品と不自然に触れていないかを目で確認してみましょう。

 

ここでも、ご自身で強く締め付けることより、「どこかが緩んでいそう」「触れると音が変わる」といった状態を把握しておくことが大切です。

 

弦の巻線が傷んでいる

特定の弦を弾いたときだけビリビリ音がする場合は、その弦の状態にも目を向けてみてください。

 

バイオリンの弦は、種類によって芯材の周囲に金属線などが巻かれており、その巻線が緩んだり浮いたりすると雑音につながる場合があります。

 

弦を確認するときは、表面に目立つほつれや浮きがないかを見る程度に留め、特定の弦だけで繰り返し異音が出る場合には、その情報も工房へ伝えていただくと状態を確認しやすくなります。

 

弦に松脂が多く付着している

日々演奏していると、弓につけた松脂の粉が弦や表板に少しずつ付着していきます。

 

弦に松脂が多く残っている場合には、それが音に影響することもあり、ヤマハでは弦に松脂が多く付着すると音が悪くなり、ノイズの原因になると案内しています。
演奏後は、弦楽器用の柔らかいクロスなどで弦や指板についた松脂を優しく拭き取る習慣をつけておくとよいでしょう。

 

表板まで松脂が厚く付着している場合は、無理に強くこすったり自己判断でクリーナーを使ったりせず、専門家へ相談する方法がおすすめです。

 

テールピース周辺が接触している

弦が取り付けられているテールピース周辺も、ビリビリ音を考えるときの確認箇所です。

 

テールピース付近から音がするように感じた場合でも、位置を自分で大きく変えるのではなく、どこかと接触しているように見えないかを確認するところまでにしておきましょう。

 

弦、アジャスター、あご当てなどを見ても原因が分からない場合には、さらに楽器本体の状態を確認する必要があります。

 

ビリビリ音が続くときに考えたい楽器本体の原因

表板や裏板などの接着部分が開いている

バイオリンは、表板や裏板、側板などの木材を接着して組み上げている楽器です。

 

接着されている部分の一部が開くと、演奏したときの振動によってビリビリ、カタカタとした雑音が出る場合があります。

 

弦や金具に目立った異常がないにもかかわらず異音が続いている場合や、空気が乾燥する時期になってから症状が出始めた場合には
接着部分を含めて楽器全体を確認したほうがよいでしょう。

 

剥がれているように見える部分があっても、ご自身で接着剤を使ったり強く押さえつけたりせず、そのままの状態で工房へお持ちください。

 

駒の状態にも注意する

駒は、弦の振動をバイオリン本体へ伝えるための重要な部品です。

 

弦交換や調弦を繰り返すうちに駒の傾きが変化することもあるため、見た目に大きく傾いていたり、以前と状態が違って見えたりする場合には注意してください。

 

ただし、ビリビリ音を止めるために駒を前後へ動かしたり、位置を自己判断で変えたりすることはおすすめしません。

 

特定の音だけで鳴る場合は発生条件を確認する

開放弦では気にならないのに、ある場所を押さえたときだけビリビリ音が聞こえる場合には、「どの弦の、どの音で鳴るか」を覚えておくことが大切です。

 

同じ場所を押さえるたびに繰り返し異音が出るのであれば、その音程を工房で再現できると原因を探す手掛かりになります。

 

魂柱など内部の部品は自分で動かさない

バイオリン内部には、表板と裏板の間に「魂柱」と呼ばれる木の棒が立っています。

 

魂柱は楽器の振動に関わる重要な部品であり、倒れたり位置がずれたりした場合の調整には専門的な技術が必要です。

 

ヤマハでも、魂柱が倒れた場合には自分で元へ戻そうとせず、専門家へ依頼するよう強く勧めています。
魂柱の位置調整には専用工具が使われ、わずかな位置の違いも音に影響します。

 

ビリビリ音の原因を切り分けるチェック方法

どの弦で鳴るのか確認する

最初に、G・D・A・Eのどの弦を弾いたときにビリビリ音が聞こえるのか確認してみましょう。
特定の弦だけで異音が出る場合は、まずその弦にほつれや巻線の浮きなど、目で分かる変化がないか確認します。

 

一方、複数の弦を弾いても同じような異音が出るのであれば、弦だけでなく、あご当てやテールピース、楽器本体など、複数の弦に共通して影響する箇所も考える必要があります。

 

特定の弦だけならその弦を確認し、複数の弦で鳴るなら楽器全体へ確認範囲を広げると考えると、切り分けやすくなります。

 

どの音で鳴るのか確認する

次に確認したいのが、同じ弦の中でも特定の音だけでビリビリするのかという点です。
開放弦では問題がないものの、指で押さえてある音を出したときだけ異音がするのであれば、「A線のこの音」「G線のこの位置」のように覚えておいてください。

 

音名が分からない場合でも、「第1ポジションでこの指を押さえたとき」など、再現できる情報があれば十分です。

 

工房で同じ状態を再現できれば、異音が発生している条件を確認しながら原因を探しやすくなります。

 

いつから鳴り始めたのか振り返る

異音が出始めた時期も、大切な手掛かりになります。

 

たとえば、

 

・弦を交換したあと
・季節が変わって乾燥してきたあと
・保管する場所を変えたあと
・楽器をぶつけたあと
・久しぶりにケースから出したあと

 

など、直前に変化がなかったか思い返してみてください。

 

特に乾燥と楽器の接着状態には関係があり、日本音楽財団も乾燥した場所に置かれた楽器では、接着が外れて異音が生じる場合があるとしています。

 

「冬になってから急に鳴り始めた」「弦を替えてから聞こえる」といった情報があると、原因を確認するときの手掛かりになります。

 

可能なら異音が出る状態を残しておく

工房へ楽器を持ってきたときには、なぜか異音が出ないということもあります。

 

そのため、どの弦、どの音、どのような弾き方で音が出るのかを覚えておくと相談しやすくなります。

 

可能であれば、異音が分かる程度の短い動画や録音を残しておくのも一つの方法です。

 

ただし、録音をするために何度も強く弾いたり、音を再現しようとして部品を動かしたりする必要はありません。

 

「どの弦」「どの音」「いつから」という3点を整理するだけでも、原因を探すための大切な情報になります。

 

まとめ|ビリビリ音が続くときは楽器の状態をご相談ください

バイオリンのビリビリ音は、アジャスターやあご当ての緩み、弦の状態、松脂の付着など比較的確認しやすい原因から
接着部分や楽器内部など専門的な確認が必要な原因まで幅があります。

 

まずは、どの弦で鳴っているか、特定の音だけで鳴るか、弦や周辺部品に目立った変化がないかを確認してみてください。

 

弦に松脂が多く付着している場合はクロスで優しく拭き取るなど、日常的なメンテナンスで確認できることもあります。
ヤマハでも、弦に付着した松脂がノイズにつながる場合があると案内しています。

 

一方で、目立つ原因がないのに異音が繰り返される場合や、板の接着部分、駒、魂柱などが気になる場合には、ご自身で調整しようとせず専門家へ相談することが大切です。

 

当社では、駒や魂柱、指板、上ナット、接着部分の剥がれなど、バイオリンのさまざまな調整・修理を承っています。

 

「ビリビリ音はするけれど、どこが原因か分からない」という段階でも構いませんので、気になる異音が続く場合には楽器をお持ちください。現在の状態を拝見しながら、必要な調整や修理を一緒に確認していきます。

 

【Q&A】

1.特定の弦だけビリビリ音がするのはなぜですか?

 

特定の弦だけでビリビリ音が出る場合は、まずその弦の状態を確認してみてください。
弦の巻線が緩んだり浮いたりすると、演奏時の振動によって雑音が発生する場合があり、ヤマハでも緩んだ巻線をバズ音の原因の一つとして挙げています。

 

表面に目立った変化がないのに同じ弦で異音が続く場合は、弦だけに原因を限定せず、周辺部品や楽器本体も含めて確認するとよいでしょう。

 

2.特定の音だけビリビリする場合はどうすればよいですか?

 

どの弦のどの音で異音が出るのかを確認し、同じ条件で繰り返すか確かめてみてください。

 

開放弦では問題がなく、特定の場所を押さえたときだけ鳴る場合には、その位置を覚えておくと工房で状態を確認するときの手掛かりになります。
音名が分からなくても、「A線をこの指で押さえたとき」のように再現できれば問題ありません。

 

3.バイオリンのビリビリ音は放置しても大丈夫ですか?

 

同じビリビリ音が繰り返し出る場合は、そのままにせず原因を一度確認することをおすすめします。
異音には弦や金具のように外から確認できるものだけでなく、板の接着部分が関係している場合もあります。

 

原因が分からない場合には無理に探そうとせず、工房で状態を確認してください。

 

4.ビリビリ音がするときは自分でねじを締めてもよいですか?

 

目で見て緩みを確認することはできますが、異音を止める目的ですべてのねじや部品を強く締めることは避けましょう。
アジャスターやあご当て周辺が原因になる場合もありますが、締め過ぎたり位置を変えたりすると別の問題につながることがあります。

 

特に駒や魂柱など、楽器の構造や音に関わる部品は自己判断で動かさず、状態が気になる場合には工房へご相談ください。魂柱については、ヤマハも専門家による調整を勧めています。

 

5.バイオリンのビリビリ音の修理はいくらかかりますか?

 

修理料金はビリビリ音の原因によって変わるため、まず楽器の状態を確認して必要な作業を決めます。

 

当社ではバイオリンについて、駒高さ調整11,000円、魂柱調整8,800円、指板削り調整11,000円、接着部分の剥がれ修理8,800円〜などのメニューをご用意しています。料金はいずれも税込です。
異音が駒にあるのか、接着部分にあるのか、別の箇所にあるのかによって必要な作業は異なりますので、まずは実際の楽器を拝見しながら状態を確認いたします。

 

代表プロフィール

会社名:株式会社Sakamoto Violins
La Bottega di Liuteria Hiroaki Sakamoto 弦楽器製作工房
代表:阪本 博明
日本住所:〒1670021 東京都杉並区井草1丁目26番14号
営業時間:月~土:10時00分~18時00分 予約制
定休日:日曜・祝日
アクセス:西武鉄道 下井草駅より徒歩6分
TEL:090-6109-5526
イタリア工房住所:Via Dati Ugolani 11,26100 Cremona ITALIA

 

代表経歴

1989年 上京 都内弦楽器専門店にて修行後、1994年 クレモナに渡る。
クレモナヴァイオリン製作学校で Vanna Zambelli氏、
Davide Sora氏  Pierluigi Aromatico氏に師事。
在学中より、巨匠 Primo Pistoni氏の門戸を叩き並行してPistoni氏の工房に通う。
卒業後、自身の工房を開設。Maestro Liutaioとして活動を開始。

 

現在長男は弦楽器製作者を目指しCivica Scuola di Liuteria Comune di Milanoにて研鑽中。
次男はScuola Internazionale di Liuteria Cremonaを卒業、
Dario Occhipinti氏 Dante Fulvio Lazzari氏に師事。
現在Casa di Stradivari財団による若手選抜上級者プログラムにてマスタークラスを受講中。

 

クレモナの伝統的製造方法を踏襲しつつ、
さらに新しいスタイルを生み出すべく日々試行錯誤を続けている。

 

現在の製作楽器も、全てオリジナルのデザインと独自製法のニスを使い、
個性的な楽器を創り出している。

 

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